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カテゴリ: 椎間板ヘルニア
不定期にお役立ち情報をUPしていければ・・と思います。
今回は椎間板ヘルニアです。
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアとは背骨の椎骨と椎骨の間にある椎間板の中心部にある髄核が繊維輪から飛び出したものを言います(アンパンのあんこが飛び出した状態)
・頸部に起こったものを頚椎椎間板ヘルニア。
・腰部に起こったものを腰椎椎間板ヘルニアといいます。
・胸椎部にも起こりますが構造上稀です。
脊柱のクッションの役割をしている椎間板は、年齢(20歳すぎ)とともに衰えてくる為、反復する力学的ストレス及び瞬間的な強力な圧力等によって繊維輪に亀裂が生じ、そこから髄核が脱出し、神経を圧迫します。働き盛りの20~30歳から多くみられます。
膨隆型
例えばずっと同じ姿勢でいると、腰椎はいつも同じ重量を受け続けます。すると、髄核は上からの重量で押され続け、繊維輪に圧迫を加えます。やがて、圧迫に耐えかねた繊維輪の一部が変形して突出します。
この突出部分が脊髄の神経を圧迫することによって、痛みなどの症状がでてきます。これを膨隆型と呼びます。繊維輪そのものが変形してしまうので、長期化することが多いのですが、圧迫量は脱出型より少ないので症状が弱い特徴があります。
脱出型
椎間板は、柔らかい髄核(ずいかく)を、硬い繊維輪(せんいりん)で包んで保護する形になっています。繊維輪は硬い事は硬いのですが、あまり無理をさせるとヒビが入ることがあります。
そのヒビから髄核が外に脱出してしまったものを脱出型と呼びます。大抵はヒビが入った瞬間に脱出も起こるので、急激な痛みなどを伴うのが特徴ですが、膨隆型に比べると症状の改善が早いと言われています。
腰椎椎間板ヘルニア
好発部位
腰椎椎間板ヘルニアは負荷がたくさん掛かり可動が多い下位腰椎(L4/5, L5/S1)に多くみられる。
症状
通常、片側の下肢痛及びしびれが強く腰部の痛みは比較的少ないのが特徴(ヘルニアを起こしているのは腰椎部であるから腰痛が一番の症状と思いがちであるが、純粋なヘルニアである場合、腰痛よりも臀部から足にかけての症状のほうが強い)。稀にヘルニアが巨大であったり中心に脱出している場合両側の下肢に症状が出現するときもある。
痛みは転げまわるほどの激痛から、ジクジクと痛むものまで幅広くあります。脱出型では痛みが強い傾向が見られます。
痛みを伴わない場合もあり、しびれとして感じることもあります。これといった理由も無いのに、いつもしびれているような感覚がある場合は、運動神経を圧迫されている可能性があります。
さらに悪化すると歩行困難、マヒ、さらには排尿障害まで至ることがあります。
若年者のヘルニアは高齢者に比べ椎間板内圧が高く、強い症状を呈しやすい。
頚椎椎間板ヘルニア
好発部位
頚椎椎間板ヘルニアは負荷がたくさん掛かり可動が多い下位頚椎(C5/6, C6/7)に多くみられる。
症状
頚椎椎間板ヘルニアは腰椎ヘルニアに比べて、発症年齢が比較的高く、40歳以上に好発。
代表的な症状は首の痛みやこりです。午前中は比較的症状が軽くても、午後から夕方になるにつれて症状が強くなるのが特徴です。神経が脊髄で圧迫を受けているのか、神経根で圧迫を受けているのかによって現れる症状は異なります。
脊髄が圧迫されているようなら、手のしびれが現れます。手のしびれは片側だけの時もありますが、次第に反対側にも現れることもあります。また、最初から両側にしびれが現れていることもあります。手指の細かな運動もしづらく、箸で豆をつまんだり、魚をほぐすことができにくくなったり、衣服のボタン、とくに目で見ることのできない首まわりのボタンのとめはずしが難しくなります。
脚にも症状が出て、脚がこわばって歩きにくくなる、いわゆる「痙性(けいせい)歩行」が現れます。階段の昇降に手すりが必要になり、脚のこわばりのため、とくに階段を降りにくくなることが多いようです。
神経根が圧迫されると、主に後頸部から肩、手指にかけての疼痛が現れます。この疼痛は、頸部を反らすようにすると強まるのが特徴で、これは神経根の圧迫がますます増強されるためです。
検査
レントゲン
通常、先ず最初に行われ骨の状態を把握します。
しかし、椎間板自体は写らない為、確定するにはMRI等が必要になります。
MRI
極めて有用で椎間板の状態が把握できる。
レントゲンと違いX線でなく、磁気による為被爆の恐れが無く身体に無侵襲。
ミエログラフィー
造影剤を硬膜内に注入し、その形状で神経の圧迫の程度を見る方法。身体に侵襲的な為、MRIの普及により余り使用されなくなった。
治療
保存的治療
薬物治療、神経ブロック、各種物理療法、牽引療法、マッサージ等。
ヘルニアのほとんど(85%~90%)は、この保存療法で症状軽減されると言われている。
観血的治療
手術
・ラブ法
椎間板ヘルニアの手術で一般的に行われている方法です。背中側から神経を包む椎弓という椎骨の一部を切除し露出させ、硬膜と神経根を確かめながら横によけヘルニアを摘出する方法です。
・経皮的随核摘出手術
切開しないで随核を吸引する方法です。
直径5mmの細い管を背中の少しわきから皮膚に直接刺して、椎間板の中の随核を吸引します。
これにより飛び出していたヘルニアがもとに戻り神経根への圧迫がなくなります。
体への負担が少なく、1週間から13日ほどで退院できます。
ただしこの方法は70%の治癒率で、大きく飛び出したヘルニアには効果がありません。
また40代以降の人では随核の弾力性が低下しているため行うことはできません。
・レーザー PLDD(経皮的髄核減圧術)
ヘルニアを起こした部分に直径0.8mmの細いレーザーファイバーを穿刺し、レーザー光の熱で髄核に空洞を作り、椎間板を縮ませて神経の圧迫を取り除きます。健康保険の対象外。
考察
ヘルニアのほとんど(85%~90%)は、保存療法で症状軽減されると言われています。強度な痛み、しびれも保存療法により何ら日常生活に影響を及ぼさない程度にまで回復する事も多く見受けられます。一部のヘルニア(サイズが大きいヘルニア、破裂し遊離したヘルニア)では、自然に消腿縮小することも解ってきました(組織球による異物貪食、分解作用によってヘルニアが小さくなる)。
手術にはやはりリスクも伴う為、先ずは保存療法を試みてみるのが良いと思われます。ただ、直腸膀胱障害(おしっこや便の出具合が悪い)が見られるような場合は直ちに手術を検討しなければなりません。
又、最近話題になっているレ-ザ-椎間板蒸散法は、線維輪が壊れていない症例で、椎間板内圧が高いタイプのヘルニアが適応となります。すでに線維輪を破って、脊柱管内に飛び出たヘルニアには効果が望めない様です、適応を選ぶことが肝要です。
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(目次)
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