腰痛の原因の一つに“多裂筋”

カテゴリ: 腰痛

 

 腰痛と一括りに言っても人それぞれ痛い場所や原因は違います。

組織に損傷があったり、一部分の負担が過剰に大きくなることで痛みが出たり、不動により機能低下が起こっていたり…

 それぞれの腰の状態に合わせて最適な治療を行っていますが、今回はそのなかでも多く訴えを聞く下部腰痛についてお伝えします。

 

 

 

 

この場所に痛みはありませんか?

 

 

腰痛

 

 

 背骨と骨盤の境の中央付近に痛みや長く続いている鈍痛、重だるさなどの訴えを聞くことがよくあります。もしかしたら“多裂筋”が原因かもしれません。

 

 

 

 

多裂筋の作用

 多裂筋の作用としては、脊柱の伸展、反対側への回旋、同側への側屈があります。脊柱の大きな動きを行うというより、局所の椎体の動きの方向付けや、屈曲方向への制動、骨盤の前彎、椎間関節の安定性を高めるといったものが考えられます。

 このことから腰痛だけでなく、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、猫背などの不良姿勢にも重要な筋肉です。

 

 

 

 

多裂筋の役割

 では、多裂筋が機能しないとどんなことが起こるでしょうか?

 

・腰椎前彎の減少

・椎間板内圧上昇

・脊柱起立筋活動の増加

 

上記のようなことが挙げられます。

 

 

 まず多裂筋が機能しないと骨盤が後湾し(背中全体が丸くなる)、引き伸ばされた状態が続くことで収縮しにくくなり機能不全となります。

 骨盤を前彎させ(骨盤が立っていて背筋が伸びた姿勢)、多裂筋を持続的に働かせることで腰や股関節周りの筋肉のバランスを保っていますが、多裂筋が機能しなくなると代わりに脊柱起立筋による脊柱の動きの制動が必要となるので、脊柱起立筋の活動が高まります。

 筋肉の活動が高まれば緊張して硬くなるので、腰や背中全体に痛みや張りがつながることも少なくありません。

 

 

腰痛

 

 

 最近ではスマホやパソコン、デスクワークが多くなり腰や背中が丸くなっている人がとても多いです。不良姿勢により多裂筋が機能せず腰痛や背中の張り、肩こりや頭痛など様々な障害にまでつながるため、多裂筋の機能を高めることは重要です。

 

 

 

 

多裂筋になにが起こっているのか?

 慢性腰痛の方を対象とした研究では、多裂筋の萎縮が認められています1)。

 また筋肉が萎縮すると、筋肉内の脂肪前駆細胞というものが増加し、筋肉が脂肪に置き換わりやすい状態になってしまいます。

そうして、筋肉が脂肪に置き換わっていくことを脂肪浸潤と言います。

 

 

 慢性腰痛では多裂筋の萎縮が報告されていますが、脂肪浸潤も多々報告されており、脂肪浸潤が起こると筋力や身体機能の低下が起こります2)。

 そのため多裂筋が萎縮し、脂肪に置き換わらないよう収縮を邪魔する要因を排除しながら、筋収縮を促す運動療法が必要になってきます。

 

 

 

 

多裂筋の収縮を邪魔する要因と有効なトレーニング

 多裂筋の収縮を邪魔する可能性のある筋肉は主に以下の3つ。

 

・腹筋群

・ハムストリングス

・大殿筋

・広背筋

 

 この3つの筋肉は骨盤を後傾させるため多裂筋の機能を邪魔します。これらのストレッチを行い、緩めたうえで更に多裂筋のトレーニングを行います。

 

 

 

 

四つ這いクロスエクステンション

 四つ這いで対角の腕と足を上げます。肘、膝はまっすぐにしたままで左対角と右対角を交互に行います。

腰痛

 

 

 

 

うつ伏せクロスエクステンション

 うつぶせのままで対角の腕と足を上げます。肘、膝はまっすぐにしたままで左対角と右対角を交互に行います。

腰痛

 

 

 

 

レッグレイズ

 うつ伏せのままで片脚を上げます。膝を伸ばしたままで交互に行います。

腰痛

 

 

 

 

多裂筋に収縮を感じながら痛みの無い範囲でトレーニングを行ってください!

 

 

 

 

【参考文献】

1)Julie Hides et al : Multifidus size and symmetry among chronic LBP and healthy asymptomatic subjects. Man Ther. 2008;13(1):43-9.

2)Michael D Freeman et al : The role of the lumbar multifidus in chronic low back pain : a review. PM R. 2010;2(2):142-6.

 

 

 

 

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