第11回 岐阜整形外科セミナー

カテゴリ: 学び

第11回 岐阜整形外科セミナーに出席してきました。

 子供、学生の来院も多くあり、我々の仕事に直結する、特別講演Ⅰ題目の骨端線損傷に、特に興味深く拝聴させていただきました。

 骨端線とは骨が大人の骨に成長してくるまでの、子供の骨に存在する骨の成長部であり、まだ軟骨組織であるため骨実質部よりも力学的強度が弱く、子供の場合、この骨端線部で骨折を起こすことが多くあります。

 骨端線部の損傷(骨折)は、目立った外傷なく腫れたり痛みを伴うだけの場合もあり、気づかずに放置すると、骨端線の早期閉鎖となり骨の成長が阻害され、左右の腕の長さや脚の長さが違ってきたり、身長の伸びが損なわれる場合もあり注意が必要です。

Salter-Harris分類(片山仁、骨・関節の画像診断、秀潤社)
 特別講演Ⅰ
「骨端線損傷の診断と治療」 金 郁喆先生

 ・骨端軟骨の強度は、マッチ棒を折る程度の力である。
・引っ張り、ねじり力に弱い(圧縮力には強い)。
・成長に合わせてヤング率は上昇してくる。
・骨端軟骨は、3次元的な起伏があることにより力学的強度を保っている。
・起伏がある場合、Salter-Harris(以後SH)Ⅱ、Ⅲ型が多く、Ⅰ型にはなりにくい。
・骨折に対する骨端線損傷の割合は18%位。
・70%は上肢(指骨、肘等)に起こる。
・70%が保存療法対象。
・診断は受傷機転の問診を含め視診、触診が大切。
・画像診断はX線、3D-CT、超音波(エコー)が有用。
・徒手整復はSHⅠ・Ⅱ型-可及的整復-良好。Ⅲ・Ⅳ型-解剖学的整復-やや不良。Ⅴ型-不可-不良。
・上腕骨近位骨端線損傷(リトルリーガーズショルダー)-5歳以下では100%SHⅠ型。11歳以上では、75%がSHⅡ型、25%がSHⅠ型。
・外顆骨折-斜位像および20°屈曲位撮影法が必要。転位>2mm ope、<2mm ギプス固定。
・上腕骨遠位骨端線損傷-クロスピンニング固定。
・内顆骨折-ワトソン・ジョーンズ GⅠ・Ⅱ保存、ⅢⅣope。
・橈骨遠位骨端線-尺骨の合併多し、1/8。
・大腿骨遠位骨端線損傷-神経・血管損傷に注意。
・脛骨近位骨端線損傷-SHⅠ型50%、SH2型30%、SH3型20%。
・脛骨粗面骨折-ワトソン・ジョーンズⅠ10~15歳、Ⅱ・Ⅲ型15~18歳
・脛骨遠位骨端線損傷-多い。足関節外旋・底屈強制により8~15歳に多い。>10歳、SHⅡ型、12~15歳、Tillaux骨折・Triplane骨折。>2mmでインターポジション(骨膜の陥入)の恐れあり-整復操作後転位。早期の骨端線閉鎖を起こす危険(Triplane骨折17%早期閉鎖)。
・腓骨遠位端-捻挫との鑑別。
・4Wは免荷、2~3ヶ月はスポーツ中止。
等々

 特別講演Ⅱ
「関節リウマチにおける最新の診断・治療方針について」 藤井隆夫先生

 2010年 ACR/EULAR 新分類基準(http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/special/ra2009/acr2009/200910/512871.html)、スコアの合計が6点以上でRA診断

 ・治療薬が良くなってきたため、治療ストラテジーが変化してきている。
・HLAの型を持っていると喫煙により5倍以上の発症。
・1987年の関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis:以下RA)分類基準は、典型的なRAを規定する基準としては良いが、早期の人は診断できなかった。
・2010年 ACR/EULAR 新分類基準は早期に診断するための基準といえる。それによりMTX(methotrexate メトトレキサート)開始が早くなる。一方で、RF因子陽性・ESR亢進している場合など、他の疾患が混入する危険もある。
・治療薬としてはMTXが先ずはfirst choice(禁忌でなければ)、寛解なければ生物製剤。

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