それって本当に梨状筋症候群?(椎間板ヘルニア 坐骨神経痛 梨状筋症候群 Deep Gluteal Syndrome)

作成者:院長 山本幸治

カテゴリ: 坐骨神経痛 梨状筋症候群

執筆者  山本幸治

 

 

坐骨神経痛で悩まれている方は非常に多いですね。

 

 

坐骨神経痛

 


坐骨神経痛を呈する代表が腰椎椎間板ヘルニアです。

 


腰椎椎間板から脱出した髄核が神経を圧迫することによって坐骨神経痛が出現します。
腰椎椎間板ヘルニアについては前記事をご覧ください。

 


腰椎椎間板ヘルニア以外にも坐骨神経痛を呈するものは多くあります。
その代表が梨状筋症候群です。


【梨状筋症候群とは】

 

坐骨神経

 


坐骨神経はこのように梨状筋の下から出てきて下肢へ走行しています。

 

 

梨状筋

 

 

ここで圧迫されて坐骨神経痛を呈するものを梨状筋症候群と呼んでいます。

 


教科書的には坐骨神経はこのように梨状筋の下から出てくるとなっていますが、実はそうでないものもたくさんあります。

 

梨状筋

坐骨神経と梨状筋との解剖学的バリエーション(Beaton, 1937より引用)1)

 

 

20年前にもなりますが、ボクが行ったアメリカの大学での3ヵ月間の解剖実習でもご検体6体中、2体に破格(坐骨神経が梨状筋の下からではなく、梨状筋実質を貫通しているもの)見られました。

 

 

今まではこの臀部で坐骨神経が絞扼され神経痛を呈するものは梨状筋が原因とされてきました。

 


しかし近年では、深臀部症候群(Deep Gluteal Syndrome)という報告が散見されるようになってきました。

 

 

【深臀部症候群(Deep Gluteal Syndrome)】

深臀部症候群(以下DGS)とは、「坐骨神経の非椎間板性及び骨盤外性絞扼を原因とする臀部から鼡径部への疼痛を呈する症候群」2)と定義されています。

 

 

つまり、坐骨神経痛を呈するものには、梨状筋症候群以外にも病態が存在するということが解ってきたのです。

 

 

臀部の解剖学的な異常が神経のスぺースを狭小化させ、坐骨神経のみならず、上殿神経、下殿神経、後大腿皮神経、陰部神経などを絞扼し臀部から下肢痛、鼡径部痛に至るまで症状が発せられます。

 

 

この臀部スペース内での坐骨神経の絞扼には以下のものが考えられています。

 

1.梨状筋
2.血管を含む線維性バンド
3.臀筋群、ハムストリングの瘢痕化
4.双子筋-内閉鎖筋複合体
5.血管の異常性
6.スペース占拠性病変
7.外傷や複数回の手術

 

通常、坐骨神経は股関節の動きに伴って、旺盛に滑走・移動していますが、このDGSによって絞扼されると、癒着を起こすと同時に神経も虚血状態となり、組織が酸欠状態となることにより強い神経痛を呈するのです。

 

 

【治療】

当院ではDGSによる坐骨神経痛を、どこで神経が障害されているか、超音波エコーにより特定するとともに、エコー下でハイボルテージ施療や手技によるリリースを行っております。

 

 

DGS

 


それにより今までなかなか改善されなかった臀部や足の痺れが解消されることを経験しております。

 


なかなか改善されない臀部から下肢への痛みや痺れでお悩みの方、お気軽にご相談ください。

 



1)Beason LE, Anson B.J. The relation of the sciatic nerve and its subdivisions to the piriformis muscle. Anat Record. 1937;70:1-5.

 

2)  McCrory P, Bell S. Nerve entrapment syndromes as a cause of pain in the hip, groin and buttock. Sports Med 1999; 27: 261–74.

 

 

 

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