日本超音波骨軟組織学会(JSBM)

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 昨日は、日本超音波骨軟組織学会に出席してきました。

 

 

 

 

 基調講演は中部学院大学、看護リハビリテーション学部、理学療法学科の林典雄教授でした。

 

 

 

 林典雄先生は運動器エコーの最大の特徴である動的な観察を精力的に研究され、また運動器に関しての著作も多く出版されている、その方面の第一人者であられる先生です。それ故、やはり注目度も抜群で会場も満席となる盛況ぶりでした。

 

 内容もやはり秀逸で素晴らしく大変に勉強になりました。

 

 テーマは「後足部の疼痛を超音波で観る!そして治す!」ということで、大きく二つのトピックに分かれていたように思います。

 

 一つ目は、「踵底部の痛み」に対してです。
朝起き抜けの足を衝いたときの踵部の激痛や、スポーツ活動時の踵接地時の痛みは日常診療でよく遭遇する傷病です。往々にして、安易に足底腱膜炎として対処されがちですが、どうにも腑に落ちないことを多々感じておりました。しかし今回のお話はまさに納得のいくもので、多くの疑問点が解消されました。
踵部に痛みがあるときにレントゲン撮影をし骨棘が形成されていると、そこに原因を求めがちです。骨棘形成はただの結果であり、やはり痛みの原因ではありません。足底腱膜炎すなわち足底腱膜の痛みであればウィンドラスなどのTraction forceによって疼痛再現されるはず。そうでない場合、踵骨底部の脂肪体の損傷が考えられる。この脂肪体は3層構造となっており、骨膜に近いところは柔らかく柔軟性に富んでおり、皮膚表層に近いところではずれないように硬い組織となっている。中間層はその調整をする層となっている。そしてその脂肪体が損傷しているときは、その中間層が柔らかくなりすぎていたり、場合によっては破断されていたりすることがあるという。そして超音波エコーでこの動態がよく観察できるのである。MRIなど他の診断装置にはない利点である。
そしてその治療法も足底板やテーピングとなります。今後の診療に大いに役立てられそうです。

 

 二つ目は「アキレス腱周辺の痛み」です。
アキレス腱自体の痛みであるアキレス腱炎やRetrocalcaneal bursitisである滑液包の痛み、そしてここでもFat pad(脂肪体)の痛みが考えられるとのことです。
アキレス腱は足底腱膜との関連も深く、腓腹筋内側頭はツイスティングしながらアキレス腱へと移行し、その腱成分は踵骨最遠部の浅部に付着し足底腱膜と連結している。アキレス腱炎等のアキレス腱自体の痛みを考察できる。
注目はFat pad(脂肪体)である。この部での脂肪体はKager’s fat padである。この脂肪体も3パートに分かれているとのこと。アキレスパートと長母趾屈筋(Flexor hallucis longus)延長のFHLパート、Retrocalcanealにあるウェッジパート。これらの脂肪体間での癒着が痛みの原因となる。そして超音波エコーでこの動きがよく観察でき評価、治療出来るのである。詳細は省かせてもらいますが、目から鱗の知見でした。

 

 午前中のこの興奮も冷めやらぬまま、午後はしっかりとインストラクター務めさせていただきました。

 

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