オスグッド徹底解説

👉膝下が痛い…それ「成長痛」では終わらせないで
ジャンプ、ダッシュ、ストップ動作。
競技レベルが上がるほど、膝への負担は大きくなります。
「膝のお皿の下がズキッと痛む」
「走る・蹴る・跳ぶで悪化する」
それはオスグッド(Osgood–Schlatter disease)かもしれません。
“成長痛だから仕方ない”で片づけると、競技力低下や長期離脱につながることもあります。
1|オスグッドとは?(医学的定義)
オスグッドは、脛骨粗面(膝下の骨の出っ張り)に大腿四頭筋(太もも前)の牽引ストレスが繰り返しかかることで起こる牽引性障害です。
成長期は骨がまだ柔らかく、筋肉の力に骨が耐えきれず炎症・痛み・隆起が生じます。
重要なのは:
❌「骨が弱いから」ではなく
✅「負担が集中する動き方をしているから」
2|なぜ競技者に多いのか?
論文レビューでは、オスグッドは以下の条件で発症率が高いとされています。
●ジャンプ・ダッシュ・キック動作が多い
●トレーニング量が急増
●大腿四頭筋の緊張が強い
●股関節・体幹の安定性不足
特に競技レベルが上がるほど発症リスクも上がる傾向があります。
3|論文で示されている主なリスク因子
🧠 内的要因(身体の特性)
✔ 大腿四頭筋・ハムストリングの柔軟性低下
✔ 股関節可動域の制限
✔ 体幹・骨盤の不安定性
✔ 片脚支持時の膝の内側倒れ(ニーイン)
🏃 外的要因(競技環境)
✔ 練習量の急増
✔ 連日の高強度トレーニング
✔ 硬いグラウンド
✔ クッション性の低いシューズ
「筋が硬い × 体幹が弱い × 量が多い」
この組み合わせが、膝下に負担を集中させます。
4|痛みのメカニズム(なぜ膝下だけが痛む?)
ジャンプやダッシュ時、大腿四頭筋は膝を伸ばすために強く収縮します。
その力は:
太もも → 膝蓋腱 → 脛骨粗面(膝下の骨)
へ伝わります。
成長期では:
●骨が未成熟
●付着部が弱い
その結果、
牽引ストレスが骨膜を刺激 → 炎症・痛み
という流れが起こります。
5|「成長痛だから放っておく」は危険
放置すると:
●痛みが慢性化
●骨の隆起が強く残る
●正座や屈伸で違和感が続く
●フォームが崩れ、別のケガを誘発
論文では、
症状が長期化すると競技復帰が遅れる傾向が示されています。
6|競技を続けながら改善するために重要な3点
① 痛みのコントロール(炎症管理)
●強い痛みがある時は負荷を一時調整
●冷却・圧迫
●連日の高強度は避ける
② 動きの評価と修正
膝だけ見ても意味がありません。
評価すべきポイント:
●片脚スクワット時の膝の軌道
●股関節の可動域
●体幹の安定性
●着地・踏み込み動作
「なぜ膝に負担が集中しているか」を特定します。
③ 筋機能の再構築
●大腿四頭筋の過緊張を抑える
●股関節・体幹の安定性を高める
●連動した動作を再教育
→ 膝への牽引ストレスを分散させます。
7|セルフケアの注意点(競技者向け)
❌ 痛い場所をゴリゴリ揉む
→ 炎症を悪化させる可能性あり
❌ 無理にストレッチ
→ 付着部への刺激増加
✅ 太もも全体の軽いケア
✅ 股関節・体幹の安定トレ
✅ 痛みが出ない範囲での練習調整
8|再発を防ぐために必要な視点
論文と臨床の共通点は:
「膝だけ治しても、動きが変わらなければ再発する」
つまり:
●股関節
●体幹
●着地動作
●練習負荷管理
“動作全体の最適化”が再発予防の鍵です。
9|まとめ|競技人生を守る選択を
オスグッドは:
✔ 競技者に多い
✔ 再発しやすい
✔ でも正しく対処すれば改善できる
「成長痛だから仕方ない」ではなく、
“競技を続けるための戦略的なケア”が必要です。
膝の痛みでパフォーマンスが落ちているなら、
早めの評価が復帰への近道になります。
【参考文献】
Menéndez et al. (2020). Osgood-Schlatter disease in adolescent athletes.
Kujala et al. (2019). Osgood-Schlatter disease: A review of literature.
Nakase et al. (2015). Mechanisms of Osgood-Schlatter disease.
StatPearls: Osgood-Schlatter Disease (2023)
ブログ・目次
- 腰痛(7)
- 椎間板ヘルニア(4)
- 坐骨神経痛 梨状筋症候群(1)
- 腰部脊柱管狭窄症(3)
- 腰椎分離症(4)
- 変形性股関節症 臼蓋形成不全(1)
- 四十肩・五十肩(8)
- 石灰沈着性腱板炎(1)
- 肩こり 頚肩腕症候群 姿勢不良(1)
- 頚椎症性神経根症(1)
- 野球肩 野球肘(25)
- リトルリーガーズショルダー(1)
- 腱板損傷(2)
- 胸郭出口症候群(TOS) 野球(1)
- ベネット病変(骨棘)、投球障害肩(1)
- 変形性膝関節症(3)
- オスグッド(2)
- シンスプリント(2)
- 肘内障(1)
- 足底腱膜炎(足底筋膜炎)(1)
- 上腕骨外側上顆炎(テニス肘)(2)
- ばね指(1)
- めまい メニエール病 良性発作性頭位めまい症(BPPV)(1)
- 橈骨遠位端骨折(コーレス骨折)(1)
- ジョーンズ骨折(1)
- イズリン病(Iselin、第5中足骨粗面) (1)
- 顎関節脱臼(1)
- 栄養(3)
- 低酸素トレーニング(加圧トレーニング)(2)
- 超音波骨折療法(LIPUS)(2)
- 体外衝撃波(2)
- 立体動態波 ハイボルテージ(1)
- スーパーライザー(2)
- 投球フォーム指導(38)
- パーソナルトレーニング(3)
- コンディショニングスペース(2)
- 酸素カプセル(6)
- トレーナー活動(7)
- 日本超音波骨軟組織学会(JSBM)(25)
- 東海野球傷害研究会(5)
- 健康管理士(3)
- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(3)
- 特別施術(5)
- LPST(腰椎・骨盤安定化)プログラム(8)
- お役立ち情報(21)
- 学び(41)
- 野球(12)
- 大学院(6)
- 当院セミナー、勉強会、講師(9)
月別アーカイブ
受付・施術時間 (予約制)
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 午前 | ○ | ○ | - | ○ | ○ | ○ | - |
| 午後 | ○ | ○ | - | ○ | ○ | ○ | - |
午前9:00~12:00
午後4:00~8:00
(土曜、日曜午後は7:00まで)
祝祭日施術有り。
(大型連休を除く)
休院日
水曜・日曜
所在地
〒502-0909岐阜県岐阜市
白菊町5-10
駐車場あり
058-297-1779























